旧教員宿舎を買ってから、
いすみへ行く回数が増えました。
最初の頃は、
現地へ行っても、
ほとんど物件しか見ていませんでした。
屋上を見る。
部屋を見る。
雨漏りを見る。
井戸を見る。
浄化槽を見る。
森を見る。
そして、
東京へ帰る。
でも、
何度も通っているうちに、
少しずつ物件の外を見るようになりました。
すると、
気づきます。
旧教員宿舎の周りには、思っていた以上にいろいろある。
車を少し走らせると、海。
旧教員宿舎から、
海までは車で数分です。
いすみ市の東側には、
太平洋が広がっています。
そして、
この辺りの海では、
一年を通してサーファーを見かけます。

いすみ市も太東海水浴場について、
サーフィンスポットとして人気が高く、
一年を通して多くのサーファーが訪れる場所として紹介しています。
これは、
宿泊を考えるようになってから、
かなり気になる存在になりました。
朝、
海へ行く。
サーフィンをする。
昼は街で過ごす。
夜は宿へ戻る。
旧教員宿舎を、
豪華なホテルにしなくても、
「海の近くに泊まれる場所」
という使い方があります。
建物単体で考えていたときには、
見えていなかった可能性です。
でも、いすみは「海だけ」ではない。
海沿いを離れると、
景色が変わります。
田んぼ。
里山。
森。
旧教員宿舎にも、
かなり広い森が付いています。
海まで数分なのに、
山側の景色もある。
この距離感が、
面白い。
私たちは将来的に、
この森の一部を整備して、
RVで滞在できる場所にすることも考えています。
朝は海。
昼は里山。
夜は森。
大都市のように、
大量の娯楽施設があるわけではありません。
でも、
「何もない」の中身が、意外と多い。
そんな場所です。
そして、魚が強い。
いすみを調べ始めて、
特に驚いたのが、
海産物でした。

有名なのが、
イセエビ。
そして、
タコ。
サザエ。
アワビ。
いすみ沖には「器械根」と呼ばれる広大な岩礁地帯があり、
豊かな漁場になっています。
いすみ市では、
イセエビやサザエ、アワビ、タコなど、
多くの水産物が地域のブランドとして扱われています。
特に太東・大原産の真蛸は、
市の公式情報でも、
明石のタコと並んで「日本の二大タコ」と呼ばれることがあると紹介されています。
正直、
物件を買うまで、
知りませんでした。
さらに、最近はフグまで獲れる。

そして、
個人的にかなり面白いと思ったのが、
天然トラフグ。
いすみ市では近年、
トラフグの漁獲量が増えています。
市によると、
近年まで続いた黒潮大蛇行による海水温の上昇に加え、
県・自治体・地元漁師による稚魚放流なども、
漁獲増加につながったとされています。
しかも、
大原産天然トラフグは、
現在「千葉ブランド水産物」に認定されています。
一匹ずつはえ縄で釣り、
船上で処理をして、
傷を防ぎながら鮮度を保つ。
旬は、
おおむね11月から3月。
500万円の旧教員宿舎を買ったら、近くの海で天然トラフグが獲れていた。
なかなか面白い話です。

日曜日には、漁港で朝市。
大原漁港では、
毎週日曜日、
「港の朝市」が開催されています。
朝8時から。
魚。
干物。
加工品。
野菜。
地元の食べ物。
買うだけではなく、
その場で食べる楽しみもあります。
こういう場所が、
宿泊施設の近くにあることは、
思っていた以上に重要だと思っています。
なぜなら、
宿泊者に提供する体験を、
すべて自分たちでつくる必要がないからです。
「朝食を出さない」という選択もある。
例えば、
将来旧教員宿舎で民泊を始めたとします。
ホテルのように、
私たちが豪華な朝食を用意する。
もちろん、
それも一つの方法です。
でも、
日曜日なら、
「朝は大原漁港の朝市へ行ってみてください」
でもいい。
そこで、
地元の魚を食べてもらう。
漁港を見る。
地域の人から買い物をする。
その方が、
いすみらしい朝になるかもしれません。
しかも、
宿泊者が使うお金が、
LISONO LIFEだけではなく、
地域にも流れます。
これは、
私たちがやりたいこととも合っています。
海だけではなく、米もある。
さらに、
いすみには農産物があります。
特に、
いすみ米。
梨。
ブルーベリー。
チーズなどもあります。
海産物だけの街ではありません。
海と、
里山と、
田畑。
距離が近いから、
食材も混ざります。
私たちは以前から、
将来的にいすみの素材を使った商品をつくれないか、
ということも考えています。
最初は、
「地方の物件を買ったから、何か地域の商品もできたら面白い」
くらいの発想でした。
でも、
食材を調べるほど、
可能性は思っていたより多そうです。
民泊をつくるなら、部屋だけ見ていてはいけない。
最初は、
民泊について考えると、
内装ばかり見ていました。
どんなベッドを置くか。
壁は何色にするか。
照明はどうするか。
一泊いくらにするか。
でも、
最近は考え方が変わっています。
旅行者が欲しいのは、
綺麗な部屋だけではありません。
その場所へ行って、
何をするのか。
ここが重要です。

👇サーフスポットです。
朝、
海へ行く。
サーフィンする。
漁港へ行く。
魚を食べる。
里山を走る。
森で過ごす。
そして、
夜は旧教員宿舎へ帰ってくる。
そう考えると、
旧教員宿舎の宿泊室は、
旅行そのものではなく、
「いすみで過ごすための拠点」
でいいのかもしれません。
建物の外側まで含めて、物件の価値。
500万円で買ったのは、
建物と土地です。
でも、
使えるのは、
敷地の中だけではありません。
海があります。
漁港があります。
朝市があります。
里山があります。
地域の食があります。
もちろん、
それらは私たちの所有物ではありません。
だからこそ、
大切にしたい。
自分たちだけで完結する施設ではなく、
宿泊した人が、地域へ出ていく場所。
そんな施設にできればと思っています。
そして、
いすみを調べていて面白かったのは、
自然や食だけではありませんでした。
調べていると、
突然、
葛飾北斎
という名前が出てきます。
「なぜ、いすみに北斎?」
次回は、
そこから始めます。

