第8話 746万円と250万円。同じ屋根なのに、なぜ?

見積もりの内訳

旧教員宿舎の屋上防水。

最初の本格的な見積もりは、

7,458,000円。

その後、

諦めずに別の業者にも相談しました。

出てきた金額は、

約445万円。

330万円。

そして最終的には、

250万円台。

最大で、

約500万円近い差。

同じ建物です。

屋上面積も、

約250㎡前後。

雨漏りがあるという事実も同じです。

それなのに、

なぜここまで金額が違うのでしょうか。

まず、746万円の見積もり。

便宜上、これをA社とします。

A社の考え方は、

かなり分かりやすいものでした。

既存防水を撤去し、新しく塩ビシート防水を施工する。

既存防水撤去は244.6㎡。

撤去・処分だけで約105万円。

その上で、

塩ビシート防水の絶縁工法を244.6㎡。

単価は15,700円/㎡。

ここだけで約384万円。

さらに、

入隅部と天端端部に鋼板を取り付け、

一部は塗膜防水。

足場・荷揚げ・業務費用も含む。

総額、

7,458,000円。 

見積書、防水工事.pdf

かなりしっかり、

屋上防水を作り直す考え方です。

次に、445万5,000円。

B社とします。

こちらも、

既存シートは撤去します。

数量は259.7㎡。

撤去費は、

1,400円/㎡で363,580円。

その後、

樹脂モルタルによる下地調整。

260㎡。

416,000円。

さらに、

目地を撤去してポリウレタン系材料で打ち替える。

310㎡で248,000円。

入隅シール。

立上り52.7㎡には、

ウレタン塗膜防水・密着工法。

そして平場207㎡には、

ウレタン塗膜防水・通気緩衝工法。

ここが一番大きく、

9,200円/㎡で、

1,904,400円。

さらに、

改修用ドレン6箇所。

脱気筒5箇所。

防水工事だけで約346万5,000円。

そこへ足場18万円、産廃12万円、現場管理費、諸経費などを加え、

税込、

4,455,000円。 

330万円の案。

C社とします。

こちらも、

既存防水シートは撤去します。

数量270㎡。

撤去は、

1,000円/㎡で27万円。

さらに、

劣化部補修10万円。

下地調整21万6,000円。

既存ドレンを撤去して新設。

入隅シーリング。

脱気筒4箇所。

そして平場200㎡。

ここには、

通気緩衝工法。

見積書には、

「自着シート+ウレタン」

と記載されています。

単価7,500円/㎡。

金額、

150万円。

立上り52㎡は密着工法。

単価9,000円/㎡で46万8,000円。

さらに臭気筒架台、小架台なども密着工法で処理する。

屋上洗浄まで含め、

税込、

3,300,000円。 

2026.5月 御見積書 中 賀史様.pdf

ここまでを見るだけでも、

かなり面白い。

A社とB・C社は、そもそも「新しい防水層」が違う。

A社は、

塩ビシート防水。

B社とC社は、

ウレタン塗膜防水。

B・C社は平場に通気緩衝工法を使い、

立上りには密着工法を使っています。

つまり、

同じ「屋上防水工事」という名前でも、

施工方法そのものが違います。

家電で例えるなら、

同じ型番の商品を4店舗で価格比較しているわけではありません。

目的は同じでも、買おうとしているものが違う。

ここが非常に重要でした。

「絶縁」と「通気緩衝」。

名称は違いますが、

どちらも、

既存下地の影響を新しい防水層へ直接伝えにくくしたり、

下地側の水分・湿気による膨れなどに配慮するための考え方が入っています。

一方で、

材料も納まりも施工方法も違います。

そして当然、

単価も違う。

A社の塩ビシート防水は、

15,700円/㎡。

B社の平場ウレタン通気緩衝は、

9,200円/㎡。

C社は、

7,500円/㎡。

同じ約200〜245㎡の平場でも、

この単価差だけでかなり大きな金額になります。

そして、最終的に250万円台。

さらに業者を探し続け、

最終的には、

250万円台で施工できるという提案

までたどり着きました。

ただし、

ここで大事なことがあります。

250万円だから正解。

746万円だから間違い。

そんな単純な結論にはしたくありません。

金額が違うということは、

どこかに違いがある。

工法かもしれない。

施工範囲かもしれない。

材料かもしれない。

会社の管理体制かもしれない。

保証かもしれない。

そして、

その違いを理解せず、

金額だけで発注するのは危険です。

それでも、500万円の差は無視できない。

一方で、

LISONO LIFEは、

潤沢な資金を持っている会社ではありません。

資本金100万円。

このプロジェクトでは、

防水の後にも、

井戸。

浄化槽。

客室。

森。

RV。

いくらでも投資先があります。

もし、

同じ目的を必要十分な品質で達成できるなら、

746万円ではなく250万円台で施工できたとき、

差額は約500万円です。

その500万円は、

ただの「値引き」ではありません。

次の再生をつくる500万円です。

だからこそ、

安い業者を探すのではなく、

必要な品質と価格のバランスを探す。

そのために相見積もりが必要になります。

次回は、

実際に4社を比較して見えてきた、

「相見積もりの使い方」について書きます。