衝撃の見積もり額
晴れた日に見る旧教員宿舎は、古い建物です。
外壁には年季が入り、室内にも長い時間が流れた跡があります。
それでも、日が差し込む部屋に立っていると、
「ここを直したら面白そうだ」
と思えます。
この部屋はDIY賃貸にしよう。
ここは宿泊室にできるかもしれない。
外の森はどうしよう。
そんな未来のことを考えられます。
でも。
雨の日、この建物はまったく違う顔を見せます。
雨漏りがあることは知っていました。
旧教員宿舎を取得する前から、
雨漏りがあること自体は把握していました。
築46年。
屋上は陸屋根。
既存の防水も相応に劣化しています。
だから、
「屋上防水はいずれ直さないといけない」
くらいには考えていました。
でも、
雨漏りがあると知っていることと、実際に雨の日の建物を見ることは全く違います。
雨の日に、現地へ行った。
建物の中を一部屋ずつ見ていきます。
天井。
壁。
床。
晴れている日には、
「昔の雨漏り跡なのかな」
程度にしか見えなかったシミ。

それが雨の日には、
現在進行形の問題になります。
濡れている。
水が落ちている。
壁を伝っている。
しかも、
雨水は必ずしも真上から真下へ落ちてくるわけではありません。
屋上から入った水が、
コンクリートや下地の中を伝い、
離れた場所から室内へ出てくることもあります。
つまり、
室内で水が出ている場所と、屋上で水が入っている場所が同じとは限らない。
雨漏りというのは、
思っていた以上に厄介なものでした。
そして屋上には、約250㎡の防水面があります。

後に取得した見積書を並べると、
各社が対象としている屋上面積は、
おおむね244〜270㎡。
数字だけなら、
学校の教室数個分くらいの広さです。
でも、その約250㎡について、
既存の防水を剥がす。
下地を直す。
水が入らない新しい防水層をつくる。
端部を処理する。
ドレンを直す。
必要に応じて脱気筒をつける。
そう考えると、
「雨漏りしているところだけコーキングして終わり」
という話ではありません。
最初に届いた見積書。
そんな状態を専門業者に見てもらい、
最初に本格的な屋上防水の見積もりをお願いしました。
届いた見積書を開きます。
金額は、
7,458,000円。
約746万円です。
見積書、防水工事.pdf
以前の記事では、
分かりやすく「約700万円」と書きました。
でも、
実際の数字を書くなら、
745万8,000円。
物件取得価格は約500万円です。
つまり、
雨漏りを止める工事だけで、
物件価格を約246万円上回る。
なかなかの数字です。
でも、見積書の中を見ると「746万円」とだけ書いてあるわけではない。
この会社の見積もりを見ると、
施工内容はかなり具体的です。
既存防水撤去。
244.6㎡。
処分費込みで、
1,051,780円。
そして新しい防水には、
塩ビシート防水・絶縁工法。
同じく244.6㎡。
単価15,700円/㎡で、
3,840,220円。
さらに、
入隅部への鋼板取付。
天端端部への鋼板取付。
一部塗膜防水。
足場。
材料荷揚げ。
そして業務費用60万円。
それらを積み上げると、
税抜678万円。
税込745万8,000円になります。
見積書、防水工事.pdf
つまり、
単に「雨漏りを直すのに746万円」ではありません。
この会社は、
既存防水を撤去し、新たに塩ビシートの絶縁防水層をつくり直す
という一つの答えを出していました。
「高い」で終われば、何も分からない。
最初に見たときは、
そんな分析はできませんでした。
ただ、
高い。
それだけです。
資本金100万円の会社に、
約746万円。
まだ事業も本格的に始まっていません。
正直、
「早くも終わったかもしれない」
と思いました。
でも、
あとになって複数社の見積もりを並べたことで、
ようやく気づきます。
問題は、
「746万円は高いのか」
だけではない。
746万円で何をしようとしているのか。
そこを見なければならない。
そして、
別の会社は同じ屋上に対して、
違う答えを出してきました。
330万円。
445万5,000円。
さらに、
最終的には250万円台。
同じ屋上。
同じ雨漏り。
それなのに、
倍以上違う。
次回は、
実際の見積書を並べながら、
なぜ746万円と250万円台が同時に存在するのか。
その中身を見ていきます。

