第16話|原状回復しなくていい賃貸をつくる。

賃貸住宅では、

退去するとき、

「元に戻す」

という考え方があります。

もちろん、

故意に壊したものを直す。

これは必要です。

でも、

DIY賃貸をするなら、

一つ疑問があります。

せっかく良くなったものまで、元に戻す必要があるのか。

荒木屋で蕎麦を食べた。

出雲では、

荒木屋へ行きました。

昔から続いてきた場所で、

出雲蕎麦を食べる。

そこで感じたのは、

地域らしさは、

毎回ゼロに戻すことで生まれるものではない、

という当たり前のことでした。

誰かが受け継ぎ、

少しずつ積み重ね、

今があります。

もちろん、

賃貸住宅と蕎麦屋は全く違います。

でも、

「前の人が使った跡を全部消して、毎回真っ白に戻す」

という考え方だけが、

正解なのだろうか。

そう考えるきっかけになりました。

次の人に残せるものがあってもいい。

前の入居者が、

良い棚をつけた。

残していい。

壁を素敵な色に塗った。

問題なければ、

残してもいい。

使いやすい収納をつくった。

次の人も欲しいなら、

残す。

人が住むたびに、少しずつ部屋が育つ。

そんな賃貸にできないか。

当然、ルールは必要。

好きに壊していい、

という話ではありません。

構造。

電気。

水道。

防水。

共用部分。

安全に関わるところは、

触れない。

DIYできる範囲を、

明確にします。

そして、

退去時にも、

残すもの。

撤去するもの。

相談して決める。

「原状」が、本当に最良の状態なのか。

築46年です。

そもそも、

何をもって「原状」とするのでしょうか。

46年前へ戻すのか。

入居前へ戻すのか。

だったら、

良くなったものまで戻さなくてもいい。

この考え方は、

古い建物だからこそ、

相性がいいと思っています。