問題だらけの物件
LISONO LIFEの第一号物件。
購入価格は、
500万円です。
RC3階建て。
12戸。
約3,000㎡の土地と森。
この条件だけを聞くと、
「めちゃくちゃ安いですね」
と言われることがあります。
確かに安い。
私自身も、最初はそう思いました。
でも、この物件を取得してから、
「不動産が安いとは、どういうことなんだろう」
と考えるようになりました。
500万円で買っても、500万円では使えない。
当たり前ですが、
物件価格と、
使える状態にするまでの金額
は違います。
今回の物件は、その違いが非常に分かりやすい例でした。
購入価格は500万円。
しかし、最初に屋上防水で提示された見積もりは700万円。

その後、何社にも相談し、250万円台で施工できる可能性までたどり着きました。
それでも250万円です。
仮に250万円で防水工事をすると、
それだけで、
500万円+250万円=750万円。
もちろん、これで終わりではありません。
水が出るのか。
この物件には井戸があります。
水道の蛇口があるからといって、
当たり前に水が出るとは限りません。
ポンプを確認する。
配管を確認する。
必要なら交換する。
水質も確認する。
人が住むにも、
泊まるにも、
水は必要です。
「水が出る」
という、普段の生活では意識することすらない状態をつくるためにも、お金がかかります。
排水はどうするのか。
次に、浄化槽。
これも点検が必要です。
問題があれば、修理や更新を考えなければなりません。
水が出ても、
排水できなければ建物は使えません。
雨を止める。
水を出す。
排水する。
ここまでやって、
ようやく、
「人が使える建物」の入口に立てます。
まだ部屋は綺麗になっていません。
そして、12戸。
建物には12戸あります。
当然、内装も必要です。

床。
壁。
天井。
水回り。
照明。
エアコン。
家具。
すべて新品にするつもりはありません。
使えるものは使う。
自分でできることは自分でやる。
DIY賃貸にする部屋なら、あえて完成させすぎない。
それでも、
12戸という数は、12回お金がかかる可能性がある
ということでもあります。
一部屋なら数万円の差でも、
12戸なら大きな金額になります。
だからこそ、
一気に全部直さないという判断をしています。
土地が広いことも、無料ではない。
約3,000㎡の土地と森。
前回の記事では、これをこの物件の大きな可能性として書きました。
それは今も変わりません。
でも、
広い土地には、
広い土地なりのコストがあります。
草が伸びる。
木も伸びる。
整備する。
安全を確保する。
人を入れるなら、さらに設備が必要になる。
RVパークにするなら、
車が入れる状態にする。
区画をつくる。
必要な電源を考える。
運営方法も考える。
土地があるだけでは、
1円も売上を生みません。
使える状態にして初めて、資産になります。
では、本当の購入価格はいくらなのか。
ここまで考えると、
「500万円で買いました」
という表現が、少し違って見えてきます。
登記上の売買価格は500万円です。
でも、
事業として考えたときの取得価格は、
500万円ではない。
物件取得費。
防水。
井戸。
浄化槽。
内装。
土地整備。
設備。
その他にも、細かい費用が積み重なります。
では、
全部足した金額が本当の購入価格なのでしょうか。
私は、それも少し違うと思っています。
なぜなら、
どこまでお金をかけるかは、
自分たちで決められるからです。
3,000万円かければ、綺麗になる。
極端な話、
この物件に何千万円もかければ、
かなり綺麗にできると思います。
12戸全部を新品同様にする。
外壁も綺麗にする。
森も整備する。
設備も新品にする。
立派な宿泊施設をつくる。
お金をかければ、
できることは増えます。
でも、
LISONO LIFEにはそんなお金はありません。
そして、
仮にお金があったとしても、
最初からそこまでやることが正解なのかは分かりません。
「直せるところ」ではなく、「直すべきところ」。
資金が限られているからこそ、
優先順位を決めなければなりません。
まず、
建物を壊さないための工事。
雨漏りを止める。
次に、
人が使うために必要なインフラ。
水。
排水。
電気。
そして、
売上を生むための場所。
最初の賃貸。
最初の宿泊室。
最初のRV区画。
そこから収益が生まれれば、
そのお金を次の部屋へ使う。
また収益が増えれば、
次の場所へ使う。
500万円で買って、
3,000万円かけて完成させるのではなく、
500万円で手に入れた場所を、少しずつ自分で育てていく。
そんな方法を考えています。
安い物件を買うことと、安く再生することは違う。
今回の物件を通じて、
一つ強く感じていることがあります。
安く買うだけでは、再生事業は成立しない。
500万円で買っても、
工事費に何千万円もかかり、
その投資を回収できなければ、
安く買った意味はありません。
逆に、
修繕方法を考え、
用途を工夫し、
必要なところから段階的に投資し、
最終的に事業として成立させることができれば、
500万円という取得価格は大きな武器になります。
だから今、
「いくらで買ったか」以上に、
「いくらで再生できるか」
を重要視しています。
まだ、本当の答えは出ていません。
500万円のRC12戸。
安かったのか。
高かったのか。
今のところ、
答えはまだ出ていません。
これから防水工事をする。
井戸を見る。
浄化槽を見る。
部屋を直す。
最初のお客さんに使ってもらう。
そして、
実際に売上が生まれる。
そこまで行って初めて、
この500万円の意味が分かるのだと思います。
だから、このJOURNALでは、
できるだけ実際の数字も残していきます。
いくらで買ったのか。
いくら直すのにかかったのか。
いくら売上が生まれたのか。
そして、
最終的にいくら残ったのか。
綺麗な再生写真だけではなく、
「この再生は、事業として本当に成立したのか」
まで記録したいと思っています。
500万円で買った築46年のRC。
安かったのか。
高かったのか。
その答えが出るのは、
まだ、もう少し先になりそうです。

