古い物件の再生には、
分かりやすい写真があります。
Before。
After。
暗い部屋が、
真っ白になる。
古いキッチンが、
新品になる。
床も、
壁も、
全部新しくなる。
私も、
以前はそれが「再生」だと思っていました。
でも最近、
少し違うことを考えています。
綺麗にしすぎることで、なくなるものもある。
日御碕へ行った。
出雲大社からさらに海側へ向かい、
日御碕へ行きました。
日御碕灯台。


日御碕神社。


海。

同じエリアにありながら、
それぞれ雰囲気が違います。
特に感じたのは、
自然も建物も、
それぞれが主張しすぎていないこと。
灯台だけを見ればいい、
という場所でもない。
神社だけでもない。
海だけでもない。
周囲を含めて、その場所の記憶になる。
旧教員宿舎にも、周囲があります。
旧教員宿舎だけを、
部屋単体で綺麗にすれば、
それでいいのか。
最近は疑問があります。
ここには、
森があります。
少し車を走らせれば海があります。
地域があります。
そして、
この建物は、
かつて教員の方々が暮らした宿舎です。
だから、
新品のマンションのようにして、
この場所の過去を全部消すより、
昔の時間が少し見える方が面白いかもしれません。
「古い」と「汚い」は別。
ただし、
誤解されたくないところがあります。
汚いままにする、
という話ではありません。
不衛生。
危険。
壊れている。
これは直します。
一方、
使い込まれた木。
昔の建具。
少し変わった間取り。
傷はあるけれど使えるもの。
それは、
必ずしも欠点ではありません。
古いものと、悪いものを分ける。
ここは、
再生では重要だと思っています。
新築には、新築で勝てない。
築46年の旧教員宿舎へ、
何千万円かけても、
新築にはなりません。
新築マンションのような設備。
新築ホテルのような内装。
そこを追えば、
お金はいくらでもかかります。
だったら、
違う価値をつくる。
教員宿舎だったこと。
古さ。
森。
海。
DIYできる余白。
ここにしかないもの。
日御碕神社で感じた、色と時間。
日御碕神社も印象に残りました。
建物が、
単なる「古い施設」には見えません。
その場所には、
時間が積み重なっています。
だから、
古い建物を再生するとき、
新品にすることだけが価値向上ではない。
時間をどう残すかも、設計の一部になる。
そんなことを考えました。
安全性は現代へ。表情は昔のものも残す。
今のところ、
LISONO LIFEの再生方針を、
一言で言うなら、
これかもしれません。
安全性は現代へ更新する。
表情は、昔のものも残す。
電気。
防水。
給排水。
構造。
安全に関わるところは、
必要なら迷わず更新する。
一方、
安全性に問題のないものは、
一度残せないか考える。
新品にすることと、
価値をつくることは、
同じではありません。

