第15話|DIY賃貸という実験。

普通の賃貸住宅は、

完成した部屋を借ります。

壁紙。

床。

照明。

すべて大家側が決めます。

入居者は、

そこへ家具を持ち込む。

そして退去するときには、

基本的に元へ戻す。

でも、

旧教員宿舎では、

少し違うことを試したい。

住む人自身が、続きをつくる部屋。

DIY賃貸です。

玉造で感じた「参加する場所」。

玉造温泉を歩き、

玉作湯神社へ行きました。

観光地には、

「見るだけの場所」と、

自分が何かする場所があります。

今回の旅では、

家族の健康や事業のことを願い、

実際に自分で手を動かす体験もありました。

ただ写真を撮って帰る場所より、

自分が何かをした場所の方が、

記憶に残ります。

この感覚は、

住まいにもあるのではないかと思いました。

完成した部屋より、「自分でつくった部屋」。

例えば、

壁の色を選ぶ。

棚をつくる。

床を変える。

家具を固定する。

自分で少しずつ部屋をつくる。

そうすると、

その部屋は、

単なる借り物ではなくなります。

自分が手を入れた場所になる。

旧教員宿舎の古さは、

普通の賃貸なら欠点です。

でも、

DIYできる余白として考えれば、

逆に価値になる可能性があります。

大家側にもメリットがある。

全部を大家側で新品にしなくていい。

初期投資を抑えられます。

一方、

借りる側は、

ある程度自由にできる。

うまく設計できれば、

双方にメリットがあります。

もちろん、

何でも自由にはしません。

壊してはいけない場所。

触ってはいけない設備。

安全ルール。

ここは、

明確にします。

玉造温泉のように、完成品を消費するだけではない場所へ。

旅先でも、

記憶に残るのは、

豪華だった場所だけではありません。

自分が歩いた。

選んだ。

書いた。

祈った。

食べた。

そういう、

自分が参加した経験です。

なら、

住む人にも、

旧教員宿舎の再生へ、

少し参加してもらう。

それも、

この建物だからできることかもしれません。