第4話 500万円で、RC12戸と森を買った。

お金の問題

前回の記事では、LISONO LIFEが直面している「お金の問題」について書きました。

資本金100万円。

そして、最初に出てきた屋上防水の見積もりは約700万円。

なかなか厳しいスタートです。

では、そもそも。

私たちは、いったい何を買ったのでしょうか。

今回は、LISONO LIFEの第一号物件について、もう少し具体的に紹介したいと思います。

千葉県いすみ市。

物件があるのは、千葉県いすみ市です。

房総半島の東側、太平洋に面した街です。

東京から車で向かうと、都市の景色が少しずつ変わっていきます。

建物が減り、田畑が増える。

そして、海が近づいてくる。

物件から海までは、車で7分ほど。

最寄りは大原駅です。

そんな場所に、LISONO LIFEの第一号物件があります。

築46年、RC3階建て。

建物は、1980年頃に建てられたRC造。

鉄筋コンクリート造の3階建てです。

中には、

3DKの部屋が12戸。

延床面積は約621㎡あります。

新しい建物ではありません。

むしろ、かなり古い。

外壁を触れば、劣化していることが分かります。

設備も当然、今の新築物件とは比べものになりません。

そして、これまでの記事でも書いてきた通り、

雨漏りもあります。

「そのまま入居者を募集すれば家賃が入る」

という物件ではありません。

手を入れなければならないところが、たくさんあります。

そして、建物の横には森があります。

この物件の面白いところは、建物だけではありません。

敷地全体では、

約3,000㎡。

その中には、長い間十分に活用されてこなかった土地や森があります。

初めて現地を見たとき、

「ずいぶん土地が広いな」

と思いました。

同時に、

「これ、どうするんだろう」

とも思いました。

普通のアパート経営であれば、建物の横に広大な森があっても、それだけで家賃が増えるわけではありません。

草も生えます。

木も伸びます。

管理も必要です。

何もしなければ、

広い土地ではなく、広い管理対象です。

むしろ、負担になる可能性すらあります。

でも、この「余っている場所」が、後にこの物件を買おうと思った大きな理由の一つになります。

価格は、500万円。

そして、この物件の購入価格。

500万円です。

RC3階建て。

12戸。

延床約621㎡。

約3,000㎡の土地と森。

それが、

500万円。

東京の不動産価格に慣れている人なら、

「安い」

と感じるかもしれません。

私も最初はそう思いました。

これだけの建物と土地が500万円なら、かなり面白いのではないか。

でも、不動産に「理由のない安さ」はほとんどありません。

安いのには、当然理由があります。

雨漏り。

まず、雨漏り。

これはすでに書いた通りです。

そして、井戸。

水を使うためには、設備の状態を確認しなければなりません。

浄化槽。

こちらも、正常に使える状態なのか確認が必要です。

部屋。

12戸ありますが、そのまますべて貸し出せる状態ではありません。

土地。

約3,000㎡ありますが、整備されていなければ収益は生みません。

森。

自然があると言えば聞こえはいいですが、放置すればただの管理負担です。

つまり、

500万円払えば完成した収益物件が手に入るわけではありません。

500万円を払って、

「これから直す権利を買った」

くらいに考えた方が近いかもしれません。

それでも、私はワクワクしました。

普通に考えれば、問題だらけです。

雨漏り。

井戸。

浄化槽。

古い部屋。

広すぎる土地。

森。

直さなければならない場所を数えれば、いくらでも出てきます。

でも、現地を歩きながら、私は別のことも考えていました。

12部屋もあるなら、

全部を普通の賃貸にする必要はない。

一部は、自由にDIYできる賃貸にできるかもしれない。

一部は、旅をする人が泊まる場所にできるかもしれない。

空いているスペースでは、小さな商いができるかもしれない。

そして、建物の横にある広い土地。

車で旅をする人が滞在する場所にできないだろうか。

森そのものを、楽しめる場所にできないだろうか。

普通のアパートとして見ると、

「使えない部分」が多い物件です。

でも、

一つの用途に決めなければ、使える場所がたくさんある。

そう見えました。

「完成品」ではなく、「素材」を買った。

今振り返ると、私はこの物件を「収益物件」として買ったというより、

再生するための素材として買った

のだと思います。

建物がある。

12の部屋がある。

土地がある。

森がある。

海が近い。

そして、地域がある。

その一つひとつを、

「今どう使われているか」

ではなく、

「これから、どう使えるか」

で考えてみる。

そこに、この物件の面白さを感じました。

もちろん、その判断が正しかったかどうかは、まだ分かりません。

500万円で買ったことが、

数年後に、

「ものすごく良い買い物だった」

となるのか。

それとも、

「安物買いの銭失いだった」

となるのか。

今の段階では、どちらとも言えません。

むしろ、このJOURNALでこれから記録していきたいのは、その答えが出るまでの過程です。

500万円の向こう側。

物件価格500万円。

この数字だけを見れば、安く感じます。

でも、すでに雨漏りだけでも大きな修繕が必要なことが分かっています。

そして、まだ井戸もあります。

浄化槽もあります。

部屋もあります。

森もあります。

つまり、本当に重要なのは、

「500万円で買えたか」ではありません。

この物件を、

人が住み、

人が泊まり、

人が訪れ、

そして事業としてお金を生み出す場所にするまでに、

結局、いくらかかるのか。

そこです。

500万円のRC12戸。

果たしてこれは、本当に安い買い物だったのでしょうか。

次回は、この500万円という数字をもう少し疑ってみたいと思います。